「すること」と「あること」
すること(行動)とあること(存在)。
することとは、焦点が当たった、方向づけられた、目標志向の活動の状態です。
そのおかげで私たちは、人生での仕事をうまくやり、
自分に必要で望むことすべてを実現できるのです。
純粋にあることとは、
過去や未来のことを考えることなく、
現在の瞬間を十分に体験することのできる状態です。
それによって、私たちは自分の霊性的な本質に結びつくことができる
より深い場所に到達できるのです。
『すること』は何よりもまず個人性の領域であり、それに対して、
『あること』は私たちを魂の領域へと導いてくれます。
そうしたエネルギーは、同じように大切です。
する能力がなければ、私たちは無力になり挫折してしまうでしょう。
ある能力がなければ、むなしく感じ、自分の人生に意味がないように思えてくるでしょう。
たいていの人は、どちらか一方がやりやすいと感じていて、
そちらのほうを発達させています。
自分の人生で、両方のエネルギーをバランスさせることができるようになればなるほど、
豊かさの体験はいっそう大きくなります。
・時間の問題がなくなる時
私たちが〈あること〉のエネルギーへと移行した時、何が起こるのでしょう?
〈あること〉というモードに入ることは、時間のない領域に入ることです。
純粋にただ〈ある〉という状態には、時間の感覚はまったく存在せず、
ただ満たされた、豊かないまの瞬間の体験があるだけなのです。
私たちは、純粋に(あること〉のエネルギーによって人生すべてを生きることはできま
せん。けれども、私は驚くべきことに気づいたのですが、
〈あること〉のエネルギーを〈すること〉のエネルギーとの健全なバランスを取って
自分の人生に統合できた時、時間の問題はなくなり始めます。
あることのエネルギーによってとても力づけられ励まされるので、
外的な成功やおもしろくて興奮するような経験への血迷った追求は
ほとんど自然にやめてしまうのです。
自分自身の瞬間瞬間の存在が、心底豊かで意味深いものになります。
選択は、心の中の深いところからなされるようになります。
ものごとをする必要のあるには、それをするためのエネルギーを感じ、
あまり無理な努力なしに実現できたり、他人がやってくれたり、
結局のところやらなくてもよくなったりします。
人生は流れのようになり、その中で自分の道が、まさに必要なとおりに目の前に開けているのを体験するのです。
個人的には、私がいつでも、あるいはほとんどの時、
こういうバランスの取れた状態にいるというわけではありません。
でも、前よりはずっと長い時間、バランスが取れていようになっています。
それは、次第に展開していくプロセスであり、私にとって持続的な学びの体験なのです。
そういうわけで、次にあなたが朝起きて何もしたくなかった時には、できれば、その感
情を大切にして、しばらくそのままでいましょう。
もしその時すぐそうするわけにはいなかったら、なるべく早目に時間を見つけて、
〈あること〉のエネルギーの中に十分にリラックスできる時間を見つけてください。
最初ははっきりしないかもしれませんが、この単純な実践からたくさんの豊かなものが生まれてくるでしょう。
〈すること〉と〈あること〉のエネルギーのバランスを築くことは、
時間の豊かさ(それはほんとうの豊かさのとても大切な側面です)を体験するためのカギなのです。
書籍・「豊かさの人生術より抜粋」
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